Vol.89 転職 ここで差がついた!
最終面接に複数の人材が残った場合、正直なところキメ手になるのはその時の採用の状況、職場の状況、ジャッジする人の心持ちなどに大きく左右されてしまう。そんな幸運を、ちょっとした工夫で手に入れた人の体験談を紹介しよう。
「応募業種はまったくの未経験。新卒1年目で転職したから年も若くキャリアらしいものは何もなし。それでも内定。
採用に至った理由を、
『今回3人の採用枠のうち、もう経験者を2人押さえたので、後一人は冒険してもいいから』
だと後で言われた。若さとポテンシャルに賭けたんだそうだ。
他の二人はスタート地点から違ってたので、後々一緒に働くとつらかったけど」(メーカー/Tさん)
複数の人材を同時に採用する場合、それぞれに求めるものが違う事が多い。違う部署に配置するためであったり、同じ仕事をさせるにしても、キャリアや年齢をずらして、世代別に従業員を育成したり。
そのため、応募者は他の応募者に比べてキャリアが足りない、若すぎる(またはその逆)などと、必ずしも卑屈になることは無いのだ。
「前職は体を壊して退職。その後充分な休養をとってから転職活動に入った。
しかしこの話をするとどこも『うちで倒れられては困る』という反応で不採用に。客観的に自分を見れば、やせ形で色も白く、たしかに虚弱っぽい印象は拭えない。
そこで一念発起、スポーツジムとウォーキングをはじめ、体を作った。日にも焼け、見た目にも健康そうになったおかげで病気の事を話しても嫌な顔をされなくなった。
それどころか、
『エンジニアはインドア派が多いから君みたいなタイプは珍しい。バリバリやってくれ』
と激励。ただデスクワークが続くと元々色の白いのがバレそう(苦笑)」(IT・Kさん)
前職を身体上の理由で退職している場合、残念ながら転職市場では敬遠される事が多いのが現状だ。そのため、本当の退職理由を隠して転職する人も少なく無い。
ただ、病歴に関係なく、履歴書の写真を健康的に写すというのはとても大切なことだ。
髪型を整え、表情をやわらげ、体にあったスーツを選んだだけで、随分印象が変わる。結果、書類選考の突破率が上がったという話もあるぐらいだ。
休職中はとかく余裕が無くなるが、あまりに切羽詰まった印象の写真は逆効果。見た目は思った以上に大事である。
「前の前の職場が学習塾を経営する教育産業。応募先とはまったく違う仕事でしたが、この時の苦労話をしたのが良かったようです。
塾は学校じゃないので、大学生アルバイト講師のマネジメントから地域営業、クレームをねじ込んでくる困った保護者の対応もしなければなりません。
『今で言う“モンスターペアレンツ”ですね』(ニッコリ)
当時はそんな表現まだなかったんですが、あえて使うと妙に旬な話題になりました。
相手が話に引き込まれたところで、
『すべて人間に対峙する仕事だったので、対人スキルには自信があります』
とキメ台詞。印象に残ったようです」(コンサル/Mさん)
時事ネタを盛り込んで、面接トークを盛り上げるというのは、よくある手法だ。
注意したいのは時事ネタの後。担当者たちが話に引き込まれたとき、続けてどれだけ自分のアピールにつなげられるかが勝負。そういう意味では流行の言葉というのは、自分の土俵に引き込み、印象を残すには便利なアイテムだ。
ただ使う流行語を間違えたり、ただ連呼するだけだと、かえって軽薄な印象を与えるのでご注意を。
一、ポテンシャルがあるならキャリア不足を恥じるな!
一、外見が説得力を持つこともある。第一印象は大切に。
一、時事ネタは話題のタネ。
作者: 岡田斗司夫
出版社/メーカー: 新潮社
価格: ¥735(税込)
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