Vol.78 転職 “売り”になるポイント
すごい技術やキャリアがあれば、転職で売りになるのは当たり前だ。しかし悲しいかな転職者みんながみんな、そうとは限らない。
しかし嘆く事なかれ。実はちょっとしたツボを押さえるだけで、採用担当者の印象が良くなる事があるのだ。
特別じゃない。でも「ちょっと良い」そんな売りになるポイントを今週はご紹介しよう。
なにもズバ抜けた文章力が必要なのではない。気をつける事は2つ。分かり易い文章であることと、読み手を意識している事だ。
「研究や発表を出来る新人は多いんです。でも魅力ある書類を作れる人が減ってきていますね。最近の人は器用なので、テンプレートや、定形文を多用した綺麗な報告書やレポートはスラスラ打ち出せます。でもそれでは読む方の心に残らないんです。すでに証明された書類を何枚重ねても、それだけでは人の納得は得られません。ポイントはクローズアップして表現するとか、ちょっと面白い表現を入れるとか、自分の言葉で書類が作れる人」(コンサルタント/Fさん)
短い文章の組み合わせでもいい。見て欲しいところ、知って欲しいところを簡潔に興味深く書面で伝えられることが重要なのだ。これは職務経歴書などにもそのまま言える。
転職サイトの増加、バブル期に迫る売り手市場などの影響で、応募者に負担が少なく、簡単に企業を探し、応募することが可能になっている今、こんな応募者が増えている。
「転職サイトに掲載された情報だけを見て、応募してくる人が多いんです。企業サイトには最新情報の告知ページなどもあるんですが、それすら見ていない。だから企業理念とまるで逆を求める人も・・・」(メーカー/Oさん)
大きな企業になると、取引企業向け、一般消費者向け、応募者向けなど、対象別に細かくページを設定している事も少なく無い。
特に最近はブログコーナーを設ける企業も増えている。中小企業やベンチャーの場合、社長自ら日々の言葉を綴る事もあり、“企業サイトは担当者が作るもの”という常識はもう通用しなくなった。
これから入社したい企業の、ましてや社長の書いた内容なら、どんなポエムや雑記でも応募者は頭に入れて置いて損は無い。面接の会話の種にもなる。
また応募前に企業の知識を深めることで、職場イメージを描き易くなり、面接の緊張を緩和させる効果もある。
団塊世代の大量退職、不景気時代の採用控えで人材の空洞化がおこっている企業が増えている。
特に指導力を持ち、部下の管理や指導が出来る層が人手不足と言われている。
しかし・・・
「『リーダーをやってました』という人はいるが、実際にリーダーシップをとってどう人を指導したかを言える人になると、グッと減りますね。突っ込んで聞くと『作業管理』とか『顧客対応』とか通常実務の内容が返ってくる。そういう人は“リーダー”というポジションにいる、一般社員にすぎない」(流通/Tさん)
年齢が上がれば尚の事だが、若い人材でも人を教育した経験を持つ人は強い。単なるまとめ役なのか、リーダーシップを取れる人なのか、その差を分かり易く伝えれば、かなり評価はアップするはず。
一、職務経歴書やレジュメは、定形文にとらわれすぎず、自分の言葉で簡潔に
一、企業サイトは要チェク。ブログがあれば隅々までチェック
一、役職が無くとも、人を指導した経験があればポイント増
作者:山田 ズーニー
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『ほぼ日刊イトイ新聞』で「大人のための小論文教室」を連載している著者の本。“自分の言葉”で文章を書きたい人に。
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