Vol.76 この退職理由OK?
面接担当者が必ず聞くのが、なぜ会社を辞めたいと思ったか。転職にかける熱意をはかったり、また同じ理由で退職しないかと心配したり。
よく、退職理由は前向きなものを、と言われるが、実際には今まで務めた会社を辞めたいと思うだけの訳に、そうそう前向きなものは無い。表現と言い換えの問題だったりする。
今回はNG転職ワードの表現方法を考えていこう。
一番多いといってもいいのに、人事担当者が一番忌避したがるのがこの理由だ。職場は変わっても人間関係のトラブルはつきまとうからだ。対人能力、コミュニケーション能力に問題アリ、とされれば応募者にとってはかなりのマイナス。ではどう言えばいいのか。
→「上司のやり方についていけず、集団でさらに上司に直訴。でも結局上司同士のパイプに負けて、補助の仕事に回される事に。面接では『仕事の進め方で新しいプランを提案したのですが、会社としては別のやり方を採用することになったので』と説明」(商社/Fさん)
単なるトラブル話に終わらず、「改善を試みた」「仕事の捉え方の違いが分かったので」などと前向きな経過と、結論を導き出す事がポイントだ。
深夜残業や休日返上の勤務が続き体調を崩す人は少なく無い。しかしそのまま伝えては同情は得られても、積極的に採用したいと思うかは疑問。
中にはむしろ
「うちの仕事も勤まらないのでは?」
と虚弱体質を心配される事も。かといって、こんな言い訳も危険だ。
→「毎日の勤務がキツく体を楽にしたかったのが第一の理由。でも『家族が老齢で看病の時間が欲しい』と言い繕ったが反応はイマイチだった」(IT/Tさん)
実はこれは要注意。実際にそういう理由の人には申し訳ないが、家族の健康状態を理由にする人は実に多い。担当者の間では、家族の健康=本人の健康という暗黙の了解のようなものがある程だ。
体調を理由にするのは注意が必要だ。ここはやはりオーソドックスだが
『休日も潰れる事が多く、本屋にあまり行けません。新しいスキルの習得や情報収集の為にも時間が欲しい』
といった具合に、「休暇が欲しい」→「得た時間で何をしたいか」に表現を変えるべきだろう。
俗に35を越えると求人が減る、と言われているが、年齢制限はもちろん理由になるが、あまりに前に出しすぎると、逆に焦って目標を見失っているという印象を与える。
→「応募したい仕事が年齢制限ギリギリだったのであわてて応募。面接では『転職するには時期的にも年齢的にも今しかない、最後のチャンスだと思い決意しました』と表現した」(マスコミ/Kさん)
今の仕事をなげうってでもやりたい、と逆に決意の固さが伝わる言い回しになったことが、良い結果を産んだようだ。
一、人間関係の問題はグチにせず、改善を試みたプロセスと結論を導き出す
一、体調不良系の理由は自分でも家族でも使わない方がベター
一、年齢からの応募は、最後のチャレンジへの意気込みを感じさせる
作者: 伊藤 洋介
出版社/メーカー:ぴあ
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サラリーマン芸人・東京プリンの伊藤洋介が見た聞いた言った、いいわけエピソード集。かなり無理をして難を乗り切る姿勢が笑えます。
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