Vol.83 転職 逃亡する新人たち
先週に引き続き、今週もあっという間にいなくなった、中途採用の新人たちをとりあげる。
ミス・マッチを正すのは早い方がいいと言うが、さすがにこれは早すぎる! という最短記録の数々をご紹介しよう。
「新人が店頭実習に立って一週間、社内用の資料(数字がモロモロ書いてある)を、間違って顧客に渡してしまった社員がいた。たしかにお客様に見られるのは好ましく無いが、トップシークレットという訳でもない。しかし新人君は
『僕の責任です。責任を取って辞めます』
と言い出した。辞める程でもないし、それは責任の果たし方になってないと、再三説得したが、頑として受け入れず強引に退退職。どうせ辞めたくなって、自分の失敗をきっかけにしたんだろう。
いや、もしかしたら、辞めるきっかけが欲しいがために・・・。と勘ぐっている自分がいる」(販売/Hさん)
このケース、真相は薮の中だが、勤務を始めたばかりの時に、ちょっとした失敗がきっかけで辞めたくなってしまう人は少なく無い。
注意したいのは政治家のように「引責辞任」はそうそう認められるものでは無いということ。つきつめれば「懲戒解雇」となって転職者の経歴に影を落とす事にもなりかねない。トラブルをきっかけに退職・・・などと考えない方がいいだろう。
「うちの逃亡新人は初出勤2日目で来なくなった。2日目の朝、電話がかかってきて
『話が違うので辞めます』
の一言。人事が理由を聞いたら
『残業が無いというお約束で入社しましたが、初日から夜まで残業。しかもサービス残業でした。こんな調子では先々不安なので、辞めるなら早い方がいいと思って』
とのこと。現場に話を聞くと確かに、自分たちと同じように残っていたと言う。残業が出来ない人だと前もって通達しておいたはずと、人事は詰問したが、
『でも初日なので手際が悪く、自分の仕事の持ち越し分です。一度任せた仕事は最後までさせるべきだと思ったので。それに慣れてくると時間内に出来るはずですし・・・』
との判断。現場は『初日ぐらい』と思っていたが、新人は『初日からこれでは!』と身構えてしまい、交渉は決裂」(製造/Nさん)
条件と現実の食い違いはよく聞く話だ。しかし
「騙された!」
と身構える前に、もう一度話し合いを持ってみる事をおすすめする。
ビジネスライクに条件面を話し合うなら、日が浅い方がスムーズだという事もあるが、それ以前に社内での連絡ミスなど、単純な行き違いが原因になっている事が多いからだ。
「初日の午前中、各部署に挨拶に回り、昼休みが過ぎても戻らなかった中途採用のA子。貸し出しの制服のまま逃亡していた。ロッカーも散らかし放題で自分の荷物だけキレイに無くなってた。上司が自宅や実家に電話するも、居留守とガチャ切りで話にならない。
社員の心情的には
『あんなヤツほっとけ』
だったけど、こんなご時世だから、制服だけはなんとしても取り返さなきゃいけなくて、再三電話と訪問を繰り返していたら、後日A子から
『未納分の給与を次の口座に振り込んで下さい。本日より1週間以内に 振込みいただけない場合、労働基準監督署に申し立てさせていただきます。理解しがたい控除がありました場合も同様の限りとさせていただきます故、あしからず。 追伸:ストーカーまがいの接触は今後固くお断り』
などと、ものすごく上から目線で書かれた文書が、内容証明で送りつけられてきた。
結局、こちらからも弁護士が出動して、やっと制服を取り返した。クリーニングもしてなかった」(流通/Oさん)
最近増えているのが、一方的に会社に来なくなった従業員が、内容証明を送って給与を受け取ろうとするケース。今まではこうした書面で支払を促すのは、倒産や経営不審など主に会社側の不払いと戦う場合が多かった。たしかに勤務実態があれば、給与を受け取る権利はあるが、逃げるようにして辞め、その気まずさから直接交渉を避ける道具に内容証明を利用するのは褒められた事ではない。
もし、この後転職し、別の会社に応募した場合、どこから退職の経緯が漏れ、後々応募者の不利益になるとも限らない。
一、条件と勤務実態に違いがある場合は、まず話し合いで再確認を
一、トラブルは退職のきっかけにはならない
一、書面の意思表示だけで退職しない
作者: アールケーシーアソシエイツ
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職場のトラブルを153事例も取り上げた一冊。どちらかというと管理者向けの内容ですが、読み易い文章で一般の社員も参考になります。
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by 過去最高記録更新中!何もしないでなぜ儲かる!?秘密の方法を限定公開中。今すぐクリック! (2010-04-24 10:11)