Vol.68 リストラサインで転職に備える
前回は会社からの評価が下がり始めた時の様子をご紹介したが、今回は一歩進んで企業が積極的に人員整理を始めるきっかけをご紹介したい。
普通の時なら、従業員を自主的に退職させる、また転職準備期間を設けられる企業も、余裕を失えば急な肩たたきや、配置転換が続出する。就労環境が悪化する予兆とも言えるのだ。
まず必ずといっていいほど、人員整理が行なわれるのがこのケース。
「経営不振で取引先の大企業に吸収され、経営を立て直す事になったうちの会社。最初は『有名企業の社員になれる?!』とみんな落ち着かなかったが、そう簡単にはいかなかった。大会社から管理の為の社員が大勢派遣されてきて、押し出される形で生え抜き社員は続々と解雇。生き残ったのはほんの一握り。それでも吸収合併後は社員同士の諍いが多く、少数派の生え抜き社員たちは涙を飲む事が多かった」(メーカー/R氏)
二つの企業が一つになる以上、余剰人員が産まれるのは必然。しかもこのように、片方が経営に失敗し、援助する場合はさらに厳しい整理が待っている。
「社長直属の仕事をするとだけ説明され、うちの会社に出入りするようになった人がいる。説明通り、他の社員との交流は一切無く、何をしているかは謎。その後新規事業が始まったと思うと、失敗したり、今まで無かった社員の降格処分があったり、昔からの重役が社長に離反したりと社内が急激にあわただしくなった。実は、社長直属の部下は、経営に行き詰まった社長が頼った経営コンサルタントだった。コンサルタント氏のアイデアで会社のあり方まで大きく変わりかけ、あわてた役員が反発し、目下抗争中」(流通/Mさん)
経営に自信を無くした社長が、社外にブレーンを求めるケースだ。他に似たようなケースに、株を押さえられ、投資会社から人材が送られてきたケースや、もっと酷いものになると、社長は占いや宗教に走り、“お告げ”で人事を左右しはじめた、などの話も。何をしているか分からない新人、というのは会社の根幹に関わっている可能性があり、要注意だ。
社内が落ち着かない時に退職者は出るものだが、中でも注意したいのが、重要なポストの人物と、経理担当者の退職だ。
「長年務めた経理の長が、定年にまだ間があるのに退職することになった。その後経営は急激に悪化し、社長はメインバンクを変更せざるを得なくなった程。今思えば、経理の上司は『悠々自適の田舎暮らし』と言っていたが、退職金が確保できるギリギリの時期で退職したに違いない」(製造/Kさん)
経営状態をつぶさにかいま見られる経理マンの動向は影響力が大きい。
「今まで待遇や評価は会社が決めてきたが、ある時から『評価について双方での理解を深め、確認をする』という理由で個人面談をするようになった。それぞれの社員の空き時間を利用するので、社内では始終誰かと誰かが、個室で話をしているような状態に。その翌々月ぐらいからまとまった数の退職者が出るようになった。評価の確認という理由で、個別に退職を勧められた社員が結構いたらしい。自分の番が回ってくる前は、退職勧告か普通の面談か、かなりドキドキした」(開発/Fさん)
上司と落ち着いて話す時期は、仕事が一段落した直後、従業時間外、休暇の前など、時間が取りやすいタイミングが選ばれる事が多い。このケースのように、会社側が面接の時間を設けなくても、仕事が落ちつくべき時間帯に、深刻な顔で話し込む社員が目立つようになったら、何か動きがあると言える。
一、合併・統合などには人員整理がつきもの
一、危険な職場は、古くからいる人材、経理のプロが逃げ、謎の新人が増える
一、一段落するタイミンぐで、深刻な顔で打ち合わせをする人が増えたら要注意
作者: 中森 勇人
出版社/メーカー:岩波書店
¥ 735 (税込)
非情なリストラと戦った著者の記録。まさにあの手この手の退職勧告、リストラの具 体的な進められ方がキーワードでわかる一冊。
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by 過去最高記録更新中!何もしないでなぜ儲かる!?秘密の方法を限定公開中。今すぐクリック! (2010-04-24 10:30)