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Vol.93 転職 危険CAを見分けろ!
先週に引き続き人材バンクの利用注意点。転職人口が膨らみ、テレビで人材バンクのCMなども流れるようになった昨今、マーケット拡大についていけない、急場しのぎのアドバイザー/コンサルタントも紛れ込んでいる。こんなCA(キャリアアドバイザー)、バンクは要注意という要素をご紹介しよう。
「某人材バンクで当たった、ちょっと気取った印象のCA。初回は書類を受け取って終わり。それっきりこちらからメールしても音沙汰なくて、年配だからメールが不得意なのかと思ったが、履歴書を預けているのでそのままにするのも気持ち悪く、半年ほどしてこちらから連絡をとった(今度は電話で)。すると『頂いた書類に不備があって進められない』と今頃になって言う。書類だけ受け取ってあとは放置だったのかと腹が立った」(Oさん/27歳)
応募者の希望にマッチし、紹介できる案件があれば割と早く提示してくれるものだ。
すぐに返事が無く、しばらく待たされる時は、基本的に紹介できる仕事が無いとみていい。
問題はその場合の対応だ。その事を説明するメールなり電話なりのフォローが無い。こちらからの問いかけに返事が無かったり、とんでもなく遅い。こんな企業は返すべき言葉が無く、返事を後回しにしている可能性がある。そして待っても、応募者の希望に沿えない場合が多いのだ。
「熟年の男性CAが担当になった時は、最初から最後まで説教だらけで参った。たしかにこっちは転職初心者だが、最近の若いのは恵まれてるだのいいたい放題で、『紹介してもらえるだけありがく思え』の上から目線アリアリ。出された案件を断るとあからさまに不機嫌。会うと嫌な気分になるばかりだったので登録削除して縁を切った。最後に届いたメールまで名前を間違えられていて、心底脱力した」(Yさん/25歳)
人材紹介系の企業を有効活用できるかどうかは、CA次第といってもいいだろう。
あまりに対応が悪い、レスポンスが遅い、人間的に合わないなど、ストレスを抱えていては満足できる転職に繋がるとは思えない。
こうした企業の多くは担当の変更が出来る場合が多い。言いにくいと我慢するより勇気を出す方がいい結果に繋がるはずだ。
「紹介してきた仕事に必要な技術が、聞くたびに二転三転する。『自分には経験が無い事はできないから、もっと具体的に教えてくれ』と質問すると『えーと、あの・・・Sさんなら大丈夫だと思います』と、しどろもどろ。これじゃらちがあかない、募集のデータを文書で見せてくれと聞くと『守秘義務があるのでここでは言えません。先方との面接で』と言う。そんな会社怖くて面接できないと突っぱねた」(Sさん/32歳)
人材紹介系の企業の最大のアピールポイントが、市場に公開されていない求人案件を持っている、という点だ。しかし肝心の応募者にまで秘密が多いというのは明らかに危険だ。
CA自身もその会社、募集案件について知識が無い場合。また募集事態がかなり怪しい(おとり募集や流動的な募集データなど)場合が考えられる。
不審に思ったところや、自分が想像で補ってしまう部分は、とにかくその場でCAに質問する事。明確な答えが帰ってこなかったり、納得できなかったら要注意案件だろう。
一、こまめにメールをくれる担当者・企業を選べ
一、CAには質問しまくれ!
一、合わない担当者は変更も
さて、90回以上に渡っておつきあいいただいた当ブログ、実はここで一旦最終回。長らくのおつきあいありがとうございました。
転職者の5人に1人は、転職後の企業・待遇などにまた不満を抱く、と言われています。転職はゴールでも終わりでもありません。まだまだ続く自分磨きの通過点です。
みなさんが充実のお仕事人生を遅れるよう、祈っております!
作者: 北尾 トロ
出版社/メーカー: 新潮社
価格: ¥500(税込)
お世辞にも「真っ当」とは言えない仕事を紹介するルポルタージュ。新聞の拡張員などは、著者自ら体験して書き起こし。世間を知る意味で楽しく読めます。
Vol.92 こんなCAは要注意!
孤独な転職活動の協力者・伴走者と言われるのが、転職コンサルタントや、キャリアアドバイザー(CA)と呼ばれる人たちの存在。
多くは人材紹介会社などの社員で、登録にやってきた転職者に仕事を紹介するだけでなく、面接や書類作成のアドバイスをし、相談にのってくれもする。人材紹介企業を利用する上で、すべての窓口になるだけに、良いCAに当たるかどうかが、転職活動の結果を左右するといっても過言ではない。
今回はよくあるトラブルを題材にCAとのつきあい方、注意点を考えていこう。
「登録してすぐに紹介してもらった仕事があるのですが、どうも好みじゃないので断り改めて『こういう仕事がしたい』とお願いしたのですが、しばらくするとまた同じ企業を紹介してくるんです。そんなにこの会社に入れたいのかと、強引さを感じてその紹介会社とは疎遠になってしまいました」(Kさん/27歳)
トラブルの中でも多いのが、希望と違う仕事を紹介される、というものだ。
これには2つの理由が考えられる。
まず、一つめは紹介会社の手駒、つまり紹介できる企業が少ない場合だ。しかも人気の無い企業を抱えている場合は、なかなか採用者が決まらないため、無理を承知で何度も何度も勧めざるを得なくなる。
もうひとつの理由は、応募者の希望と適性にズレがある、とCAが判断した場合だ。たとえばまったく違う企業へ未経験で転職したいと思っても、経験者優先の転職市場では厳しい。それなら実績のある職種で、確実に内定が取れる仕事を紹介するだろう。
人材紹介会社は、応募者が採用されて初めてギャランティが発生する仕事である。そのため、内定に近い紹介を優先させる事は珍しく無い。
ちなみに、紹介会社に入るギャラは、採用者の年収の約1/3と言われており、これは採用側の企業から支払われる。未経験枠の採用より、経験者としてキャリアを評価されて採用される方が、紹介会社の利益も増えるのである。
このようにチャレンジングな転職をする場合は、個人的な活動の方がストレスが少ない事もある。
「説明には『給与や待遇など、個人ではやりにくい交渉もお任せ下さい』とあったんですが、担当になったCAが交渉どころか、言った事を右から左へ伝えるだけの伝書鳩状態。先日も給与の希望を伝えたら『わかりました。お伝えしておきます』『お返事がありました。やっぱり難しいそうです』でおしまい。他にも大事な事をメールの定形文で終わらせたりと、人の心を逆なでするばかり」(Sさん/24歳)
確かに交渉力不足のCAもいる。
CAにもなりたての若い人材からベテランの中年までいろいろだ。若い人に当たると、一生懸命になってくれる反面、複数の案件を抱えて一杯一杯になってしまったり、重要な連絡も簡単なメール一本で済ませるアンバランスさがあったりする。
最終的には人と人の相性の問題もある。どうしても合わないCAが担当になったら、ストレスを抱えて対応するよりも、サクッと紹介企業を変える方が精神衛生上いいだろう。
また基本的にCAにとってクライアントは採用側の企業という事だ。
応募者と企業がぶつかったなら、クライアント寄りの対応が多いと覚悟しておいた方がいい
「ある人材紹介会社に登録したのですが、すぐに別口で採用が決まったので、登録の削除をお願いした。しかし転職してしばらくたつのに、まだダイレクトメールが送られてくる。いったいどうなっているのか」(Oさん/29歳)
個人情報の管理が甘い紹介会社である。
が、おそらくこの紹介会社には、何人もの人材を紹介し、何度も内定を出しているのに、入社に至らない“不良債権”の様な企業を抱えているものと思われる。
紹介企業としては、『必ず御希望の人材をご紹介します』と営業した手前、とにかく人材を送り込まなければいけないので、少しでも可能性がある人の元にDMを送りまくっているのだろう。
そういう企業にとって、個人情報はまさに宝の山。もう転職したと分かっていても、数ヶ月たって職場に違和感や不満を感じている頃を見計らって送っているのである。
一、CAは手持ちの企業情報の中から、少しでも内定に近い仕事を紹介する。
一、CAにとってクライアントとは、応募者ではなく採用する企業である。
一、応募者よりも、企業の事情を優先する事もある。
一、合わないCAが担当になったら、ストレスを抱えるよりも企業変更。
作者: 山本 直治
出版社/メーカー: PHP研究所
価格: ¥504(税込)
タイトルはセンセーショナルだが、中身は堅実。人材紹介業界の実態を紹介した一冊。コンサルタントを利用して転職する人は手に取って損は無い。
Vol.91 面接 この質問に撃沈!
質問に、素直に答えて本音がポロリ・・・。
前回に引き続き、今回も面接トークで引き出されてしまった失敗談をご紹介。面接担当者が本当に聞きたかった事とは?
「提出した履歴書を一読して『ご立派な経歴ですね』と話しかけられた。これはアピールチャンス! と思い、
『ありがとうございます。自分ぐらいのキャリアの人間は多いと思いますが、次にあげる仕事にはいささか自信もあり・・・』
と職歴の中でも特にポイントになる仕事を紹介した。話し終わったところで少し沈黙があって、
『本当にご立派だ。 あなたのような強気でグイグイ人を引っ張っていく人は、本当にリーダーの器なのでしょうね。でも、今回の募集部署ではあなたの下に部下はいません。私の部下として3人のチームの一人としてフラットの関係を築ける人を探しているんです』
と言うとじっと目を見据えられた。すぐにフォローすれば良かったのかもしれないが、アタマが押せ押せのアピールモードになっていたので、とっさに言葉が出ず、気まずい沈黙に」(Mさん/27歳)
「面接は前向きに、自信を持って挑め」というのが定説だが、空気が読めないぐらい雄弁になりすぎると、かえって逆効果。強すぎる個性は、周囲の人間との摩擦を心配されてしまう。
何より大事なのは、その職場で求められている人物像だ。それを汲み取らずに一方的にアピールするのは危険だ。
「今度の転職で3回目。面接ではやはりそこをつっこまれる。でもちゃんと理由がある事なので、堂々と答えた。
『最初の職場は経営が危うくなり、研修も無くなり、仕事の幅も少なくなったのでやむなく転職しました。今の会社でキャリアを積む事はできましたが、これからという時に希望とは違う部署に異動になった為です』
すると、
『では前の会社と、今の会社と比べてどちらがいい会社ですか?』
と聞き返された。予想外の質問だったのでびっくりしたが、教育制度は最初の会社で、人間関係は今の会社で・・・と、とりとめ無く答えてしまった。気がつくと担当者がゆるく笑っていた。知らず知らずのうちに、それぞれの職場のアラを話している結果になっていて、ハッとした。
今思えば『最初の職場は経営が破綻してしまったので、一概に比べられません。それぞれにいい所があって、育てていただいたので』とうまくかわすべきだった」(Gさん/25歳)
今の職場の悪口は厳禁。これも転職の鉄則とされる事だが、不満がなければ転職などしないわけで。当然面接担当者はそこのところはお見通しだし、ストレートに質問しても、前向きな理由が帰ってくるとわきまえている。
なので、あの手この手で探りをいれてくる。採用側にとっては、それほど退職=転職理由は気になるポイント。同じ理由ですぐに辞められては困るからだ。
「面接の間『あなたがお客様として当店を利用した場合・・・』という質問が3回も出た。たぶん途中から採用する気が無くなったんだろうな。
ユーザーアンケート代わりに利用されてる気がしたので、最後のあたりは『ここがダメ』『あそこがダメ』と意地悪なぐらい羅列してやった。少しは嫌な顔をするかと思ったけど、残念ながら、すんごく熱心に聞いてくれた。
そして私は落ちた」(Eさん/23歳)
ユーザー視点を求める質問はしばしばある事なので、これだけで“落ちた”と判断はできないが、もしあなたのキャリアアピールよりも『ユーザーの声』を熱心に聞いていたとしたら、安心できないかも・・・。
一、面接では雄弁になる前に、雰囲気を読め
一、退職=転職理由は採用側が掘り下げてくるポイント
一、担当者が繰り返す言葉に、面接のヒントがある
作者: 山田 ズーニー
出版社/メーカー: 筑摩書房
価格: ¥504(税込)
いわゆるハウツー本ではありません。人の心が動くしくみを考えさせられる、身になる一冊。
Vol.90 ひっかかった!面接の誘導尋問
面接担当者は何人もの人材と話しをしてきた、いわば話術のプロ。今回は、そんなプロによる引っかけ質問で、痛いところを突かれた例をご紹介しよう。
正直に答える事も大切だが、“質問の意味”をよく考えてみよう。
「編集プロダクションを受けた時に聞かれた。
『だいたい土曜日は部屋の掃除などをして、日曜日は自分の為に使っています』
と答えたところ
『やはり週二日は休みが必要ですか』
と突っ込まれた。一人暮らしなのでその方がありがたいと、続けて正直に答えたが、反応は芳しく無かった」(出版/Fさん)
休日の使い方や、趣味を訪ねる場合、それは遠回しに、どのぐらい休日出勤が出来そうか、また休暇をどのぐらい消化しそうかなどを探っている場合がある。
例えば旅行やマリンスポーツ、登山などにハマっている様子が伺えれば、まとまった休みを欲しがりそうだと解釈されるなど。
休日が土日でない職種や、休日出勤が多い職場もあり、そうした企業の面接では、休暇に対する応募者の本音を探ろうとする傾向にある。
「大手メーカー系列の企業の面接で聞かれたのが
『当社で何がしたいですか? どういう業務を希望しますか?』
気を良くして、こういう仕事につきたい、ああいう仕事に興味があると、どんどん語ったら、
『あなたはその仕事をどこまでお任せできますか? 今現在』
と切り返され、テンション急降下。
『できればいいな』レベルの希望、ゆくゆくはやりたい仕事も随分入れていたので、実務経験ゼロの分野も。
『何が出来るかを聞きたかったんですが』
と言われると沈黙するしかなかった」(流通/Eさん)
覚えておきたいのは、面接は応募者の夢を語る場所ではなく、何が出来るか、どうやって応募先企業に貢献できるかを、アピールする場だという事。
話し易いと感じた時こそ、相手の知りたい事をよく考えて回答したい。
「前の仕事の説明で、
『スケジュールがきつく苦労しましたが、チーム一丸となって最後までやりとげ云々・・・』
と言ったところ、
『大変でしたね。そのやり方はベストでしたか?』
と質問。ひるんではダメだと思い、
『ベストだと思っています』
と言ったが、
『・・・そうですか・・・』
とだけ返され。その後は何か間違った事をいっただろうか? 相手はどう思ってるだろうか? とどんどん心配に。強いアピールが出来なかった」(IT/Mさん)
ちょっと意地悪い質問だ。揺さぶりをかけて、応募者の自信の程を探ろうという魂胆か。
ただ自身に揺らぎない自信を持っている強気の人材が欲しい企業もあれば、「いや、まてよ」と立ち止まって考えるような人材が欲しい企業もある。
まずは、堂々とした受け答えと、ゆらぎないアピールが大事だろう。
一、休暇・趣味の質問はライフスタイルを知るため。
一、面接は夢を語るのではなく、自分の出来ることを語れ。
一、担当者言葉が意味深でも動揺しない!
Vol.89 転職 ここで差がついた!
最終面接に複数の人材が残った場合、正直なところキメ手になるのはその時の採用の状況、職場の状況、ジャッジする人の心持ちなどに大きく左右されてしまう。そんな幸運を、ちょっとした工夫で手に入れた人の体験談を紹介しよう。
「応募業種はまったくの未経験。新卒1年目で転職したから年も若くキャリアらしいものは何もなし。それでも内定。
採用に至った理由を、
『今回3人の採用枠のうち、もう経験者を2人押さえたので、後一人は冒険してもいいから』
だと後で言われた。若さとポテンシャルに賭けたんだそうだ。
他の二人はスタート地点から違ってたので、後々一緒に働くとつらかったけど」(メーカー/Tさん)
複数の人材を同時に採用する場合、それぞれに求めるものが違う事が多い。違う部署に配置するためであったり、同じ仕事をさせるにしても、キャリアや年齢をずらして、世代別に従業員を育成したり。
そのため、応募者は他の応募者に比べてキャリアが足りない、若すぎる(またはその逆)などと、必ずしも卑屈になることは無いのだ。
「前職は体を壊して退職。その後充分な休養をとってから転職活動に入った。
しかしこの話をするとどこも『うちで倒れられては困る』という反応で不採用に。客観的に自分を見れば、やせ形で色も白く、たしかに虚弱っぽい印象は拭えない。
そこで一念発起、スポーツジムとウォーキングをはじめ、体を作った。日にも焼け、見た目にも健康そうになったおかげで病気の事を話しても嫌な顔をされなくなった。
それどころか、
『エンジニアはインドア派が多いから君みたいなタイプは珍しい。バリバリやってくれ』
と激励。ただデスクワークが続くと元々色の白いのがバレそう(苦笑)」(IT・Kさん)
前職を身体上の理由で退職している場合、残念ながら転職市場では敬遠される事が多いのが現状だ。そのため、本当の退職理由を隠して転職する人も少なく無い。
ただ、病歴に関係なく、履歴書の写真を健康的に写すというのはとても大切なことだ。
髪型を整え、表情をやわらげ、体にあったスーツを選んだだけで、随分印象が変わる。結果、書類選考の突破率が上がったという話もあるぐらいだ。
休職中はとかく余裕が無くなるが、あまりに切羽詰まった印象の写真は逆効果。見た目は思った以上に大事である。
「前の前の職場が学習塾を経営する教育産業。応募先とはまったく違う仕事でしたが、この時の苦労話をしたのが良かったようです。
塾は学校じゃないので、大学生アルバイト講師のマネジメントから地域営業、クレームをねじ込んでくる困った保護者の対応もしなければなりません。
『今で言う“モンスターペアレンツ”ですね』(ニッコリ)
当時はそんな表現まだなかったんですが、あえて使うと妙に旬な話題になりました。
相手が話に引き込まれたところで、
『すべて人間に対峙する仕事だったので、対人スキルには自信があります』
とキメ台詞。印象に残ったようです」(コンサル/Mさん)
時事ネタを盛り込んで、面接トークを盛り上げるというのは、よくある手法だ。
注意したいのは時事ネタの後。担当者たちが話に引き込まれたとき、続けてどれだけ自分のアピールにつなげられるかが勝負。そういう意味では流行の言葉というのは、自分の土俵に引き込み、印象を残すには便利なアイテムだ。
ただ使う流行語を間違えたり、ただ連呼するだけだと、かえって軽薄な印象を与えるのでご注意を。
一、ポテンシャルがあるならキャリア不足を恥じるな!
一、外見が説得力を持つこともある。第一印象は大切に。
一、時事ネタは話題のタネ。
作者: 岡田斗司夫
出版社/メーカー: 新潮社
価格: ¥735(税込)
巨体がオタクの代名詞のようだった著者が一年間で五〇キロの減量に成功。その痩せっ ぷりに病気説まで飛び出した。転職に向けてダイエットを考えている人に。
Vol.88 採用の決め手 ホントの理由
優れた人材が採用されるのはあたりまえ。しかし中には不思議な理由や、予想外の要因が内定を呼ぶ事もある。今回は採用の影のエピソードを取り上げよう。
「技術職の採用で、すごい人材が応募してきた。学歴もいいし、職務経歴も申し分無い。この人が入ったら・・・とみんな夢を見たが、マネージャーは
『こんな人材は、うちみたいな会社は長続きしないだろう』
と別の人に決めてしまった。その人は、うちの職場ではポピュラーな地元大学出身で、スキルのレベルもそこそこで不満は無い。
でも釈然としないのは、その後流れたある噂。
『すごい人材を嫌がるのは、マネージャーがその能力を上回る自信が無いから。知ったかぶりの連続で使いこなせない。だからうまくコントロールできるような人しか採らない』
本当だとしたら、今度はマネージャー職を採用してほしい」(IT/Mさん)
技術系の仕事だと、上司より部下の方が知識があったり、スキルがあったりする事もある。そうした格差を越えることは一つの課題だが、手っ取り早くそうした出来る人材を排除する上司もいるものだ。
そんな上司の下で働く苦労もあるので、この場合採用されない方が、お互いのためだったとも言える。
「人材紹介企業に登録しての転職活動。コンサルタントに紹介してもらった会社が、かなりいい感じで選考が進んで内定が出た。退職手続きも済んだころ、突然先方から
『あの話は無かった事に。別に向いてそうな人がいたから。もしうちに入りたいんだった、系列会社紹介するけど?』
などと酷い事を言ってきた。
一方的に内定を覆すのもルール違反なら、直接応募者に連絡とってきたこともルール違反。特にコッソリ別会社に採用しようとした事は、紹介会社の利益を飛ばす行為。
これにはアドバイザーもカンカンになった。
結局、内定取り消しは覆らなかったが、担当のアドバイザーがいたく同情してくれて、
『Tさんの怒りは私の怒りです。何が何でも弊社で次のご縁を見つけさせて下さい!』
と燃え上がり、かなりこまめに企業情報を持ってくるようになった。以前は何だったのかと思うぐらい。その結果スピード内定に至った」(流通/Wさん)
転職雑誌や天職サイトのお手軽さに比べると、少々敷居が高い人材紹介企業だが、一人で戦う天職戦線にアドバイザーがつくというのは非常に心強い。
人材紹介企業は、企業と人材を結びつけ、正式採用となってはじめて企業から紹介料が支払われる仕組みで、転職者には金銭的負担が無い。そういう意味でクライアントは紹介先の企業という事になる。功を焦るコンサルタントが担当になると、企業の希望を優先し、転職者の希望とは違う仕事を紹介してくることも。
そうならない為には、いかにコンサルタントに親身になってもらうか、またこちらも信頼できるコンサルタントと出会うかがポイントになってくる。
「目立った学歴も経歴も無い自分。前の職場は中小メーカーで、総務部という名の社内なんでも屋で、売りになるような専門的なスキルも無い。職務経歴書も書く事が無いので、我ながら『しょーもない』と思うような雑用の苦労話などを、やけっぱちで書いたら、それが受けて内定。
『在庫管理トラブルで、取引先から未納のクレーム多数。その対処にほぼ一人であたる』
『“社長を出せ”コールを水際で食い止めるには下手な嘘は逆効果と体感』
『クレーム対応の電話は最初の3分が決め手と知る』
など、トラブル処理の小ネタ集みたいになったけど、面接担当者がモリモリ読んでくれたのが良かったみたい」(販売代理店/Rさん)
読み物として面白い書類というのはそれだけで魅力的だ。
ただし、無駄な長文は読む気を削ぐ。どんな形式で書くにしても、推敲は必須。
一、応募者と、企業、そしてその社員のレベルが合わないと採用には至らない。
一、コンサルタントにとって、特別な登録者になる。
一、読める、読ませる職務経歴書を書こう。
作者: 田村 仁
出版社/メーカー: 明日香出版社
価格: ¥1,365 (税込)
悪文のパターンを4つにわけ、欠点を改善していく一冊。文章が苦手な人ほど上達が早いと解く著者。苦手意識のある人におすすめです。
Vol.87 新職場 初トラブル
ドキドキしながらの新しい職場。早く会社にとけ込みたい、周囲の人とうまくやっていきたいと思うのは誰しも同じ。
しかし、どこに地雷が転がっているか分からないのが、新しい環境だ。
今回は転職直後の予期せぬ初トラブルをご紹介しよう。
「割当られたデスクに文具を移そうとして、鞄からうっっかりDS Liteがこぼれ落ちた。まだDSが品薄状態の頃。それを見た周囲の人が
『どんなゲームやってるの? 脳年齢のとか出来る?』
と話しかけてくれて、馴染むきっかけになった。が、小学生の子供がいるというX主任だけは違った。休憩中に目の色を変えてコッソリ近寄って来た。
『そのDSどこで買ったの? まだ売ってた?』
子供の誕生日にDSをねだられたが、どこに行っても買えない。会社があるから並んで買うなんて出来ないとグチられた。自分が買ったところも、とっくに売り切れたと言うと、今度は
『君のDSを売ってくれない?』
ときたもんだ。しかも中古だから安く、ゲームもつけて、と。どんだけずうずうしいんだよ。転職したばかりで、強く出れないのをいい事に、その後も
『いい年してゲームなんか卒業したら?』
『子供の遊ぶもんだよ? 子供が持ってこそ適材適所じゃないかな?』
など脅したり、すかしたり、かなりしつこかった。最終的に主任のさらに上の人にお灸を据えてもらって、やっと解決したが、今も主任とは気まずい」(メーカー/Fさん)
趣味の話題は新しい職場に馴染むいいきっかけになる。が、好き嫌いが分かれるものもあるので、味方と同時に敵を作ることも。
また、金銭がからむ話題、―この場合はDSだったが、株のネット取引や、副業、宝くじ等の話は、扱いが難しく、トラブルに発展したケースも多い。
転職したばかりの頃は、転職者の方が言いたい事を飲みこみがち。自衛のため、こうしたこじれそうな話題は避ける方がいいだろう。
「『女性の活躍が多い職場です』とか説明していたのに、実際には女性社員に決済や判断権が無く、上司に指示を仰いでもレスポンスが遅い。気がつけばことごとく前の職場と比べている自分がいた。ある日キレて
『これだったら私がやった方が早いですよ。前の職場で同じ経験がありますから』
と言って浮いてしまった。
『前の仕事を鼻にかけて、食って掛かった』
と言われているらしいが、自分は間違ってないから別にいい」(印刷/Kさん)
『活躍してます』とアナウンスするということは、裏を返せばそれだけ活躍の場が少ない、もしくは少なかった職場だとも言える。
それが普通にできているのであれば、わざわざ口にだして言ったりはしないわけで。
ちなみに、自分の経験を語る上で、『前の会社で』という言い方は転職先に刺激を与える事が多い。あまり使うと、
『そんなに前の会社がいいなら、なんで辞めたんだよ』
と反発されかねない。経験上のアドバイスも、あくまで『こうした方がいい』というニュアンスで。
「入社3日目、うっかり仕事の手順を失念。それがミスである行程がやり直しになった。謝りにいったら、上司が鬼の形相。そのまま関係者の間を、頭を下げて回るお詫び行脚をやらされた。頭を下げたら下げたで、腰の曲げ方が浅い、声が小さいと、他の人の前でさらに罵倒。それを見た人が『まあまあ』と止めに入る事でチャラにするという、芝居がかった謝罪をやらされた。
『これも君の為だ。君に同情してくれればミスも帳消しになる』
と上司は言うが、後で聞いた話はニュアンスが違っていた。採用のとき、別の人を推す他の社員を退け、僕の採用を決めてたのはこの上司だったらしい。でも早々の失敗で顔を潰した格好に。その反動が出たらしい。予想を遥かに越えた謝罪を要求され本当に恐かった」(製造/Oさん)
転職者はつい自分の事で頭が一杯になるが、人を一人採用するということは、その影に責任者がいるということでもある。転職者が大きな失敗をしたり、すぐに辞めたりすると、採用にあたった人が責任を求められる。新しい職場にスムーズに馴染む上で、こうした周囲の環境も頭に入れておくといいだろう。
それでなくても、転職直後の人材は周囲から注目されているもの。ケアレスミスで評判を下げるのも勿体ないので、しばらくは集中して仕事にあたりたい。
一、金銭・利益がからむ話題は、きっかけづくりであっても御法度
一、自分の経験を語る場合は言葉選びを慎重に、『前の会社で』は避ける
一、転職者は小さなミスもしっかり見られている
Vol.86 新職場 初失敗!
転職して心機一転。うまくやろうと意気込んでいたのに、ウッカリやっちゃった!
今週は転職直後、新職場でのファースト失敗集をご紹介。失敗から新しい職場に馴染むヒントをさぐっていこう。
「もうすぐ誕生日なので『ここってアニバーサリー休暇ってあるんですか?』とつい前の職場のノリで周囲に聞いたら、『何いってんの! そんな休みないよ! どんな大企業だと思ってんの?!』と、ドン引きされた。新しい職場は有給の消化率も低く、特別な日用の休暇なんて無い。それ以前になかなか休めない人だらけで休暇の話はタブーだったらしい。以来『Kさんの前の会社はいいよね~。休みが多くて。びっくりしたんじゃない? うちにきて。庶民的すぎてさ』とチクチク」(広告代理店/Fさん)
知らず知らずのうちに、地雷を踏んでしまった例だ。
質問をきっかけにして、周囲の人に馴染んでいくのはいい方法だが、調べればすぐ分かる事まで何でも聞くのは逆効果。単に手間を惜しんでいるようにしか見えないし、Fさんのようにいらぬ刺激を与える事もある。
「自分はタバコも吸わないし、お酒もあまり飲まない。転職直後、喫煙ルームを教えられ、仕事のキリのいいところで『Rさん、タバイチ(1回目のタバコ休憩)しよう』と誘われたけど、吸わないので断ったら、その後の喫煙ルームが、自分に対する文句大会になってたらしい。
実は職場のリーダー的存在のグループがヘビースモーカーぞろいで、情報交換や根回しは、この喫煙ルームでされてしまう。後のトラブル恐さにタバコを吸わない人も休憩につきあうし、中にはこの為にわざわざ喫煙をはじめる人までいると聞き、閉鎖感に目眩がした」(商社/Rさん)
転職者的には何気ない事でも、職場では意味のある風習だったりすることもある。中にはばかばかしいしきたりもあるので、無理して合わせる必要は無いだろうが、転職直後しばらくは注意深く周囲を観察し、どこを押さえるべきポイントか見極める必要があるだろう。
「面接の時から、入社後の色々な相談にまで乗ってくれた人事部のJさん。『何か困った事があったら……』って言葉通り、現場でおかしいと思った事(仕事の内容から、社員同士の上下関係など)は、すぐに聞きにいくようにしていた。その都度的確なアドバイスを貰えて安心して仕事をしていたら、直属の上司が『あのね、君の上司は私なの。何かあったら人事じゃなく私にいうように』と、間を飛ばすなと怒られた」(メーカー/Sさん)
転職者は新しい職場で孤独感を感じやすい。そんな転職者の気持ちがよくわかるのは、何人もの転職者を見てきた人事のプロ。それでなくても面接などを通じて顔見知りである分、つい頼りたくなるだろうが、所属部署に預けられたら、相談はやはり直属の上司から。
一、質問は周囲と馴染むきっかけに。
一、でも、調べればすぐ分かる事まで聞かない。
一、相談事は直属の上司から。
一、周囲からの誘いはまず乗ってみる、聞いてみる。
作者: 浦野 啓子, 村上 直子
出版社/メーカー: 宝島社
価格: ¥ 1,155 (税込)
いろいろな理由で職場が辛い方に。真剣なアドバイス本といいより、フッと笑って気が楽になる一冊。
Vol.85 WEB履歴書のコツ
先週に引き続き、今週も履歴書について。
今回はネットでの応募にかかせない、WEB履歴書の注意点だ。
転職サイトの多くは、会員登録が出来るようになっており、一度完成させた履歴書を登録しておけるようになっている。そこには紙とは違った注意点が潜んでいる。
「字がへた」というコンプレックスを抱く人は結構多い。そういう人でも気軽に文字を打ち込めるのがWEB履歴書のいいところだ。ついつい記述が増える事もあるだろう。
「フリー記述欄が勝負だと思って、備考欄に経歴を詳細に打ち込んだんですが、小さい記述スペースにそのまま打っていたので、リターンの拍子に間違って途中で登録される事数回。
さらに後で確認すると、改行が無くベタッと文字が埋まってた。こんなもんだと思ってたら、後から応募先で、プリントアウトしたら読みにくいと言われた」(営業/Oさん)
自由度が高そうにみえて、そのままベタッと文字を打ち込むと、読みにくいだけなのが、WEB履歴書の弱点。WEBの記入フォームに直接打ち込むのではなく、別のソフトで推敲し、読み易さを確認してから、コピーペーストするのは基本だ。
フリー表記欄も「職務経歴詳細」「業績・実績」「PCスキル」など、自分で記述ジャンルを作る事が成功のヒケツだ。もちろん、この項目は自分に有利なように設定してOK。
また、改行はもちろん、箇条書きを入れるなど、空白のバランスを心がけて。
フォーマットが同じ、表示フォントも同じの中では、記述内容だけが応募者の印象を左右する。
例えば、簡潔に表現しすぎるとヤル気が見えなかったり、逆にクドクド書くとやましい印象になったり。
「『退職し専門学校の資格取得講座に通学中。しばらくは残業ができません』と書いたが、やれません・出来ませんの表現はキツく感じるので『資格取得の為退職。現在も通学は続いていますが、取得まであとわずかです。取得できましたら残業・転勤も可能です。よろしくおねがいします』と書き換えた」(経理/Fさん)
同じ事実でも言い回し一つで消極的にも積極的にもなる。言葉選びは細やかに。
どんな仕事を、どれくらいやったのか。単なる箇条書きだけでは、なかなかピンと来ないもの。そこは自分ならではの工夫の見せ所だ。
「使用経験のあるソフトを一覧で書いておけば、あとは同じ業界だし分かるだろうと思ってたけど、つっこんで聞いてくれる人も無いので、なかなかスキルのアピールが出来なかった。なので使用経験のあるソフト一覧ではなく、業務経験で仕事別の項目を大きくし、
・A電気株式会社 ホームページデザイン
※Photoshop、Illustratorによる画像加工と、Flashでのインターフェース
・O化粧品株式会社 募集広告デザイン
※Photoshopによる写真レタッチがメイン作業、Illustratorによるレイアウト
など、どのソフトを何に使ったのかを実例にそって細かく記入した」(デザイン/Mさん)
実例をあげて、使える技術を具体的に提示する事で、画一的な応募者の中で、リアルな親近感を抱いてもらえる。
WEB履歴書なら行揃えも、あとから挿入するのも楽。応募先によっては、業務例を入れ替えるのも効果的だ。
一、フリースペースは、そのまま文章を書かず自分で項目を作る。
一、WEB履歴書は言い回し一つで、応募者の印象まで大きく変わる。
一、データは実例と絡めて説明すると、リアリティが増す。
作者: ビルダーブーフ
出版社/メーカー: こう書房
価格: ¥ 1,365 (税込)
アドバイスがあっても、実際に書く文章が全然出てこない!というピンチの状態のときに読みたい一冊。履歴書にそのまま使えるフレーズを掲載。